今年はある程度長期で持てそうな配当系の株をガンガン増やしてます。
理由は、前記事で触れた所得税、住民税の同一所得を別区分で申告できるようになったのが大きいです。
これ、実は専業投資家にとって、二つの意味で朗報なんですよね。
一つは、多額の還付金が見込める点です。
仮に配当所得以外に所得がなく、所得控除が基礎控除38万円のみの場合、あえて総合課税で配当を申告することで、503万5千円までの配当は、源泉済みの所得税が全額還付になります。
その額、約77万円。
去年までも同様の申告はできましたが、住民税において、配当控除後でも10万ほどの追加納税が発生し、さらに申告によって国民健康保険税が増額(自治体によって異なるが、50万〜70万ほど)になるので、申告するだけ損、という状態でした。
今年は「住民税では配当所得について申告不要制度を使う」旨の申告をすることで、追加納税も国保の増額も発生せず、もともと引かれてる住民税の源泉徴収5%のみで完結するので、単純に還付分だけ得になります。
また、503万を超えた部分に関しても、全額還付にはなりませんが一部は還付になります(累進課税の都合上、課税所得900万までは)。先ほどの例で言うと、配当所得938万円の時が、還付額が約94万となり最大値です。これ以上計上すると、逆に還付額が減ってしまうので注意が必要です。
まあ、配当938万以上とか、どんだけやねんって話ですけど。。
実際には配当以外の所得があったり、扶養控除やら医療費控除やら寄附金控除やらがあったりするので、上記の数字通りにはなりませんが、とにかく「配当所得は、課税所得900万までは、申告することで還付額が増える」ということは、覚えておいて損はないです。
そして、ギリギリのラインまで配当を申告する場合、配当金の受取方法は、銀行で受け取る登録配当金受領方式を指定するのがベターです。
配当金を証券口座で受け取る、一般的な株式数比例配分方式だと、他の所得やら控除やらを計算した上で、この口座でいくら配当金を受け取って申告するんだ、と事前に決めておかないといけません。12月末時点でこれをするのは至難の技です。
一方、登録配当金方式であれば、申告する配当金を一社ごと任意に選べるため、課税所得900万円ギリギリになる組み合わせを、後からゆっくり計算できます。
ただこの場合も、配当金受領書を一枚一枚取っておく手間と、 nisaでの配当金が課税されてしまう問題があるので、正直、一長一短ではありますね。
ちなみに自分の場合は、外国株の配当所得に外国税額控除を適用する関係もあり、上記のように簡単にはいきません。確定申告の度に何パターンか計算して、なるべく還付額が多くなるよう、毎回頭をひねっています。もちろん合法の範囲内でですよ。。
外国税額控除の限度額を少しでも上げるために、株式譲渡所得を申告分離に載せたいけど、額が大きすぎると配当控除の率が減るから、サブサブサブぐらいの口座で稼いだ株式譲渡所得のみを申告しよう、とかなかなかトリッキーなこともしています。これ意味わかる人いるのだろうか…
さて、二つ目のメリットとしては、「配当所得を総合課税に乗せることで、同所得が給与所得や不動産所得と同様『定常的な収入』扱いになり、クレジットカード等の審査において一定程度考慮される」点が挙げられます。
専業になるとクレジットカードが作れないから、会社員やってるうちに作っておけよ、なんて話をたまに聞いたりしますよね。
そりゃ銀行としては、株でいくら稼ごうがたまたまでしょ、安定した収入でなきゃダメです、となるのは当然といえば当然です。
で、ここからが不思議なんですが、じゃあ安定収入ってどこからどこまでなのか、となったときに、「申告書第一表の左側に乗っている所得」なら、と判断する金融機関が多いようなんですね。
もっと直接的な言い方をすれば、「申告書第一表に載ってる、総合課税の配当所得なら、ある程度安定した所得とみなすけど、申告分離課税の配当所得はあぶく銭とみなす」んですね。でも、同じ配当金を受け取っているのに、申告のしかたで金融機関の対応が違うのは変な気がします。
申告分離課税の株式譲渡は所詮あぶく銭だから、というイメージに、分離課税の配当も引きづられてしまっているのかもしれません。真相はわかりませんがとにかくそういう扱いらしいです。
自分の場合、比較的早い段階から、配当等様々な所得を総合課税で申告していることが評価されているからか、割といいカードも特段支障なく作れてます。
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