ノバ決算が出たので、この数字を使って少し考察してみます。
※多分に一個人の妄想が含まれます。
Qファミリー(シーブリ、ウルティ、オンブレス)の2014年1Qまでの売上推移は以下の通りです。(単位:ミリオンドル)
2012 2013 2014
1Q 2Q 3Q 4Q 計 1Q 2Q 3Q 4Q 計 1Q
シーブリ 3 3 6→12→15→25 58 30
ウルティ 6 6 14
オンブレス 29→33→34→38 134 43→47→49→53 192 53
※オンブレスは2010年米国等発売、2011年日本欧州等発売。
オンブレスを基準にシーブリ、ウルティの今後の売り上げをざっくりと予想してみます。(1ドル=100円想定)
まずこれを見て気づくのが、シーブリの2014 1Qと、オンブレスの20121Qが同程度の売り上げだということです。オンブレスは2010年発売、シーブリは2012年発売ですから、シーブリは2年遅れで、オンブレスの売り上げ推移を追いかけているような状況と言えます。
オンブレスは発売後3年(全世界発売2年)の段階で約200億を売上げていますが、もし今後もオンブレスとシーブリが同じような売り上げ推移であると仮定すると、シーブリの発売後3年、2015年時点で200億程度の売り上げになります。
オンブレスについては直近四半期において売上の頭打ち傾向が見られますので、最終的に年250億程度でピークに達するのではないかと想像できます。シーブリについても同様のことが起こると考えられますが、シーブリはまだ米国承認を得ていない状態でオンブレスと同じ売上推移ですから、これに米国販売による売上が加われば、最終的にオンブレスの1.5倍~2倍程度の売り上げが期待できるのではないかと思われます。つまり、先ほどのオンブレスの年250億を基準とすれば、米国以外での250億に、米国での売り上げ125億~250億を足した375億~500億のピーク時売上が期待できます。
加えてシーブリには、2016年以降、米国以外での喘息適用というイベントがあります。これが達成された場合、米国以外でのピーク時売上(ノバ発表によると喘息適用は米国以外の模様)250億に、2倍~3倍の売り上げが見込めるでしょう。すると、最終的に米国以外のピーク時売上が500~750億まで伸びることが予想されます。
以上をまとめると、米国以外で500億~750億(250億+喘息適用250億~500億)、米国で125億~250億となり、合わせて625億~1000億がシーブリのピーク時売上であると予想します。
ウルティブロについてはまだ売り上げが計上されたばかりで、今後数字が大幅にぶれるでしょうが、シーブリ20131Qとウルティ20141Qを比較し、およそ2倍~3倍のペースで売れていることから、上記で予想したシーブリの米国以外売上げピーク250億(喘息適用前)、米国売上125億~250億をそれぞれ2倍~3倍すると、米国以外500億~750億、米国250億~750億、合わせて750億~1500億がウルティブロのピーク時売上になると予想します。ただしウルティブロについては、シーブリ、オンブレスのような後発ではなく、先発薬なので、今後の状況によってはこれ以上の売上げが期待できると思います。
個人的には、上記の数字は最低限に見積もっているつもりです。ノバルティスの決算資料にも、「Qファミリー合わせて2000億~4000億」と読み取れる記述がありますので、それほど的外れではないと思われます。(下限合計1525億~上限合計2750億)
なお、ピーク時売上への到達は2020年前後を想定しています。
これまでの予想と時系列にまとめると、こんな感じになります。
年間売上(単位:ミリオンドル)
シーブリ ウルティ オンブレス
2013年 58 6 192 実績値
2014年 140 120 220 以下予想値
2015年 200 300 230
2016年 270 450 240 シーブリ、ウルティ米国販売
2017年 350 600 250 オンブレスピーク値到達、シーブリ喘息適用
2018年 470 700 250
2019年 550 750 250 ウルティピーク値到達
2020年 625 750 250 シーブリピーク値到達
2021年以降2025年まで同様
以上の予想に基づき、またシーブリのロイヤリティを5%、ウルティのロイヤリティは4%と仮定した上で、2025年までに受領できるであろうロイヤリティを計算してみます。するとシーブリロイヤリティ約280億(売上5600億)、ウルティロイヤリティ280億(売上7000億)となり、販売マイルストン未受領額約140億を合わせると、2025年までに約700億を受領できる計算になります。
さらにこの700億を割り戻して現在価値に直してみます。
ロイヤリティ700億から毎年の経費、研究開発費等を年25億と仮定し12年で計300億を差し引くと約400億残ります。
さらに残った400億のうち300億は利益剰余金(繰越欠損金)があるのでそのまま残りますが、100億は法人税等実効税率40%を差し差し引いて60億になります。いろいろ差し引いても手元に360億残る計算になります。
つまり、将来的に360億手残りが期待できる資産を持ち、さらに手元に80億あるので、現在のそーせいの価値(期待値)は440億程度はあろうと私は考えています。
繰り返しになりますが、この計算をするにあたって用いた売上の数字は、自分の中では「最低でもこれぐらいだろう」と見込んでいる数字です。
その最低限の数字で計算したそーせい現在価値が440億。
対して、現状のそーせい時価総額は280億ほどです。
もちろん「米国承認がされないかもしれない」「喘息適用がされないかもしれない」というリスクはあります。
このリスクを差し引いて(リスクが現実になったものとして)考えると、それぞれ100億弱程度のロイヤリティ収入が毀損されるので、手元に200億程度が残る計算になり(360-200+法人税分40=200)、今現在手元にある現金80億と合わせて280億になります。
これでようやく数字が合いました。
つまり、米国承認がなされず、喘息適用もされず、特にここまで触れていませんがAPNTにかけた経費の見返りは何もありませんでしたー(察し)という状況が織り込まれてるのが現在の株価なのです。
なんともまあ。。
もう少し続けようと思ってたけど、書いててなんか悲しくなってきましたのでやめます。。
まあ説明のつかないまでの株価ではないけど、やっぱり安いよねっていう当然の帰結的な感じ。
PR