投資家の皆さんにとっては、釈迦に説法みたいな話ですが一応。
ifrsでは一定額償却ではないので、直近の経費計上が減るのはその通り。
が、代わりに減損テスト(資産性があるかどうか)に晒されます。
2025年にはシーウルのロイヤリティがなくなる(減る)ので、遅くともこの時点で資産性がなくなり、経費計上になります。
継続的に資産性が認められる可能性があるものであれば、ずっと資産としてバランスシート上に残る可能性がありますが、少なくともアラキス社のれんについては、経費計上のタイミングが変わるだけで、あんまり意味はありません。
さらに一応、財務会計と税務会計の違いについて。
上記で経費計上がどうとか言ってるのはあくまでも財務会計上の話です。
財務会計というのは、株主等の利害関係者に、企業の財政状態を伝えるために用いられます。ですから、より現実に即した表示が求められるわけです。資産性のあるものを経費にしちゃったら企業の財務状況を正確に伝えられないからそれはやめようね、という考え方ですね。
一方、税務会計というのは文字通り、税金(法人税)の計算をするためだけの会計です。ifrsで経費になるかならないかなんてことは、税務会計上関係ありません。むしろ関係してしまったらいくらでも課税逃れができてしまいますよね。よって、税金の計算は財務会計上の変更に影響されず、今まで通り行われます。
そうすると、財務会計上と税務会計上でズレが生じます。極端な話、財務会計上黒字だけど、税務会計上は赤字ということも全然あるわけですね。株主や銀行にはいい顔したいから財務会計上は黒字で、税金払いたくないから税務会計上は赤字です。ということは別に意図しているかどうかに関わらず、普通にあります。
ただ、ズレたままだと困ることもでてきますので、このズレを調整するための会計(税効果会計)があって、その計算上生じたズレを資産、負債という形でバランスを取ったものが繰延税金資産(負債)となるわけです。
簡単に説明したので順序が少し違いますがご了承ください。
繰延税金資産の考え方って会計に慣れてないと意味不明ですよね。私も分かってるようで分かってません。だから税理士とか会計士って商売が成立するんですね。。
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